述語

主語は俳優の廣瀬大介さんです

「イケメン俳優ジャンル」は「演劇」へのフェーズではない

漫画が生まれたときって、絵画の下位っていう位置づけで、それこそ「漫ろな画」なんていう名付けがされていて、画家になれなかった人が漫画家になるっていう時代も長かったと思います。
それでも、絵の中に経時性があるという絵画にはない特長と、 紙に印刷して沢山の人に小遣い程度の対価で手にとってもらうという大衆性で、今では漫画は経済的に(と言って悪ければ、お金を出しても見たいと思っている人の数で)遥かに絵画を上回っています。

「イケメン俳優ジャンル」と「演劇」も同じ図式なんじゃないかと思ってます。
今はこの二つは地続きだと(そして前者は後者の下位だと)思われていると、若手俳優のファンをやっている中では日々感じます。
“本格”の演劇関係の人が見下してくるよ~ってだけじゃなく、若手俳優ファンの中でも顔ファンだと思われたくない!みたいな人いますよね。

「イケメン俳優ジャンル」と「演劇」はそもそも理念も技術も別物だと、認めていい時期に来てるんじゃないでしょうか。
「イケメン俳優ジャンル」はいつか洗練されて「演劇」 になるべき中途段階ではないし、「演劇」 は「イケメン俳優ジャンル」を面汚しと思う必要がない。別物ですから 。
(例え話で分かったような気になるのはあんまり好きじゃないんですが、絵画と漫画の構造が分かりやすいので)画家の人が 「日常系4コマ人気への憂い」とかって言わないでしょう。(演出家の独り言 蜷川幸雄)イケメン俳優人気への憂い:朝日新聞デジタル

このことについて、私にとって決定打だったのは、メサイア翡翠ノ章―の、珀(小野健斗さん)が重傷を負った鋭利(松田凌さん)をピエタのように抱くシーンです。 *1
そんなさあ、スパイがさあ、重傷の相棒を胸に抱いて、これからはお前のために生きるとか、俺のために生きろとか・・・、きっと「演劇」からすれば「幼稚な演出」ということになりかねないんでしょうが、お二人のとんでもねえビジュアルの良さで、とんでもねえ説得力のあるシーンに仕上がってました。
まさにイケメンは力!力で走ると速い!
大文字の、“本格”の、「演劇」なんかにはとても出来ないことをやってみせてるな、と思ったのです。

若手俳優と言われている人が、年をとるにつれて洗練され若手じゃない俳優になる、 という移行のイメージから、「イケメン俳優ジャンル」が時代を下るにつれて洗練され 「演劇」に至るというイメージを持ってしまっている人が多いのかなとも思います。
もうそんな、一個体の経年変化に還元できるレベルの問題じゃないです。社団法人出来てるんですから。 http://http://www.j25musical.jp/

絵画から独立して、読んだことがない人はいないという所まで発展した漫画。
その漫画を原作として生まれたテニミュに端を発する「イケメン俳優ジャンル」も、やはり「演劇」からの独立を元々属性として持っていたんだろうと感じています。

*1:メサイア大好きです