メサイア―影青ノ章― 第2話「MISSING」まで

メサイア影青ノ章 2/20 第1話「the beginning starts」、2/27 第2話「MISSING」

テレビのお仕事は、

表情がちゃんと見られて良いですね…!あと、巻き戻して見られて良い。

第2話の「言いたいことがあるなら言えよ」「別に…言ってもしょうがないし」という言い合いの、表情。
最初は気に入らない相棒に腹を立てていたのが、目を逸らされて喧嘩にもならず、繋いでいた手を離してしまうような失望の様子。
それが一度見て手にとるように分かりました。
相手の染谷さんも、責められて困りながらも何か言おうとしてたのが、もう言わなくていいやと諦めてしまう表情の変化が細かくて、このシーンすごく好きです…。
しかしどこまですれ違ってしまうんだ仮メサイア…。残り4話です。

誰かに目を逸らされて

喧嘩でもいいから気持ちを伝えて欲しかった、にあたる感情の引き出しを、持っている人なんだなあ、と。
キラキラの人生を過ごしてきて感情の引き出しが少ない(でもその引き出し自体がめちゃくちゃ大きい)って方も、いわゆる若手イケメン俳優さんの中には多々いるかと思うんですが。

2013年11~12月の「銀河英雄伝説 第四章 前編激突前夜」での1シーンの話です。
領主の子を宿していたが、栄達のために捨てられた女性がいた。その息子が母の死後、身分を隠して領主の元で働き、ついに補佐官まで登り詰める。
母を捨て、自分という男が生まれたことすら知らない領主に報いるべく、いつか自分が領主に取って変わってやろうという復讐の念だけで仕事に明け暮れ生きてきた彼。
その彼が大きな仕事を成し遂げようとしたそのときに、領主が「ご苦労様、一日休みをやろう。君の母親の命日だろう」と言う。
領主が全てに気付いていたと悟った彼が、若くして補佐官になった自分は才能があったわけでなく、領主の我が子可愛さで出世したのかと、プライドが深く傷付いたこと。(そのあと領主が私は実力主義だと否定するのですが)
それでも、「お父さまは僕のことを知ってくださっていた」という喜びが、彼の中でマグマのように沸き上がっていること。
そのふたつの感情は台詞で説明されるわけではないのですが、表情と、声の震えと、強ばる指と、「ご存じだったのですね」という一言で、雄弁に伝わりました。
俳優として器用だ、というのもひとつの理由なのでしょうが、そのふたつの感情にあたる感情の引き出しを持っているんだなあと、感心した次第です。
(そういう経験があるかないかではなく、強い感情を抱いたことがあるかないかです。)