メサイア―紫微ノ章― 

よくこの楽屋に遊びにくるチワワ(何故かこの2日僕と金山さんからそう呼ばれているだいすけ)

メサイア3日目|郷本直也オフィシャルブログ「散歩道」Powered by Ameba

チワワ…わかる

メサイア―紫微ノ章―

自分がどの程度贔屓目なのか

いつも計りかねているのですが、やっぱり衆目を集めるのがうまいと思います。
後半の独白のシーン、もちろん照明など演出の効果もあるのですが、声と体で注目をさせてシンとした空気を作るのがすごい。あれって天性なんですかね、技術があるんですかね。わからないことだらけです。
どこらへんに体重が増えたのかもわかりかねます…。首〜胸かな?

続編がないわけがない

終わり方の公演でした。カーテンコールで出演者が口々に「“続編があったら”よろしくお願いします」って言うの、見たことあります。ミュージカル薄桜鬼で…。
舞台のボリュームはちょっと足りなかったかな?と思うくらいが好みなので、今回のめまぐるしい1時間40分(休憩なし)は体感として良かったです。ボリュームが足りないんじゃなくて密度がありすぎたんだ、という気も。

悠里淮斗という役は、赤澤燈さん演じる白崎護と児童養護施設で出会い、今は公安で活躍する護と同居している(というか面倒を見てもらっている)ひきこもり、という設定です。

いちファンとしてはひきこもり役かよ〜!ガンアクションないのかよ〜!と初見では結構がっかりしてしまいましたが、そこは勝手に続編に期待していたいです。
パンフレットではアクションのことを言っているので、稽古ではそういうシーンもあったのかな?と思います。
ストーリー上、アクションを入れるとすれば、護たちが閉じ込められたビルの屋上にヘリコプターで駆けつけるシーンでしょうか。「護、掴まれ!」とか言いながらヘリコプターからロープで降りてくる?と想像して、ちょっとおもしろくなっちゃうかな…と思いました。
最後に護とともにサクラになり、「これから、よろしく」と握手するシーンで本編は終わりです。
淮斗はずっと一般人(しかも長らく部屋の外に出ていない)だったので、実戦に出ないサクラ、という設定でもおいしいなーとは思いますが、サクラのコートを翻して戦うところがやっぱり見たいです。なので、淮斗には頑張ってチャーチで特訓をしていただきたいものです。

淮斗には、北村諒さん演じる春斗という弟がいて、しかし春斗は子供の頃の事故で亡くなっています。淮斗はそれを受け入れられず事故の記憶を封印してしまい、事実の直面を避けるように自分の部屋の中だけで暮らしています。
護も、自分が誘った遊びからの事故で春斗が命を落としたという罪悪感を抱えていて、その罪悪感から逃げるように、淮斗に話を合わせてまるで春斗が生きているように振る舞っている、というのが二人の共同生活の実態です。

兄弟役と最初に聞いたときはあんまり似てないかな?と思いましたが、不思議に兄と弟に見えました。色の白い兄弟…。淮斗と春斗の目がほとんど合わないのが気になったのですが、演出なのか、役者由来なのか。
*1
しかしセリフとしては「春斗は海で事故にあった、遺体は見つからなかった」という感じなので、実は生きていて続編で登場…というフラグが立ちまくりです。

数フレーズですが、護が淮斗のごはんを作ってあげるやりとりが可愛くてですね。やったねAsuka原作!
今年2月のおもてなしイベントで、彼氏彼女の設定でエチュード!の流れになったときに、すごい苦笑顔で「好きだね〜こういうの!笑」って言ってたのが忘れられないんですが、…まさにあの顔をされそうな感じに好きです。

護が茶髪で華奢でベビーフェイスで全然公安の人間には見えない所も、Asuka原作の感というか、例えば「宇宙の命運を背負ったガンダム乗りは15歳…」的な世界観として受け止めていました。
生っぽくタフな舞台に仕上げる意図もきっと必要だけど、そういう世界観もどこかで維持して欲しいなって、私は思います。

ごく一部の作品に触れただけなので

語るのもおこがましいのですが、脚本の毛利亘宏さんは、まあ端的に言うと男の趣味が合うな!という点で手放しに嬉しいです。
ほかにもヒーロー観とか、王道を引き受けるところとか、好きです。
(今回も護のピンチに「僕が助けるんだ!」と開眼する淮斗、の王道展開が潔くて素晴らしかったです。美しい人が王道をやると本当にきっぱりと美しい。)

そして、選択を迫られるような場面で、「選ばなくていい」っていう展開をする脚本、のイメージがあります。
今回で言うと、淮斗は護との間に嘘を残したまま春斗の亡霊と暮らすのか、それとも春斗のことを忘れて護と生きていくか、という二者択一のストーリーにもなりうるのですが、そうせずに、淮斗は「春斗も、護も、これ以上大切な人を失くさないために」サクラになる、というストーリーになっているのが、良いなあと思いました。選ぶ必要も捨てる必要も、ない。

私が最初に毛利さんのお名前を意識したのは、仮面ライダーオーズの第21、22話です。
正義を愛する親子が、その気持ちを怪人に利用されてしまい、正義を諦めるか、人間を諦めて「正義の怪物」になるか、どちらかしかないのか、と思わせておいて、ラストは、男の子が何ひとつ諦めることなく決着するのでとても感銘を受けて、脚本家の名前が記憶に残ったんです。
それでまあ、のちにミュージカル薄桜鬼で再会するわけですが…。

脱線しました。


(8/27追記)

俺はね、大介は超変態俳優だと思ってるよ。

伊藤栄之進 御笠ノ忠次 on Twitter: "@da_sukemaru おお、クリスピン。俺はね、大介は超変態俳優だと思ってるよ。"

このツイート見て思い返していたのですが、封印していた弟の死の記憶を護に暴かれて半狂乱で叫んでる最中、突然フッとテンション下がって低く「ねえ何でそんなこと言うの?」って訊くのぞっとしたな。
そんなこと言う理由はこれから護が死ぬからだって気付いた表情だと受け取りました。

*1:3/1追記:2014/10/19メサイア秘色ノ章で、「淮斗が人と目を合わせるのは、自分の部屋を出たあと、護と向かい合って握手するシーンが初めて」と言われていました。なるほど…